クルマの価格上昇によってコンパクトカーが人気を高めた
今は新車として売られるクルマの約38%を軽自動車が占める。これに続いて好調に販売されるカテゴリーがコンパクトカーだ。新車市場全体に占める割合は約25%で、軽乗用車を除いた小型/普通乗用車のなかでは約40%に達する。
コンパクトカーが人気を高めた一番の理由は、クルマの価格上昇だ。今のクルマの価格は、安全装備や運転支援機能の充実、消費増税もあり、15〜20年前の1.2〜1.4倍に高まった。
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その一方で、日本の平均所得は、1990年代の後半をピークに下がっている。直近では上向く傾向も見られるが、今でも25年前の水準には戻っていない。
つまりクルマの価格上昇と、所得の伸び悩みの板挟みになり、小さなクルマに乗り替えるユーザーが増えた。
たとえば1996年に発売された初代ステップワゴンの価格は、売れ筋のGが179万8000円、上級のWは214万8000円だった。新型ステップワゴンは、価格がもっとも安いエアでも299万8600円だ。初代のWに比べて、価格は1.4倍に達する。
そして今も昔も購入しやすい価格帯は200万円前後だ。初代ステップワゴンはこの価格帯に位置したが、今はフィットが該当する。フィットに1.3リッターノーマルエンジンを搭載するホームが176万7700円、ハイブリッドのe:HEVホームは211万7500円になるからだ。
そうなると昔と今では、フィットのようなコンパクトカーの役割も変わる。1972年に発売された初代シビックは、4ドアボディも用意したが、主力は後席側のドアを装着しない2ドアと3ドアだった。全高も1325mm以下と低い。
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