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Tuesday, October 4, 2022

米アップルが設定した「国内のiPhone販売価格」から見えてくる「円安」の限界 - ビジネス+IT

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政府・日銀が過度な円安を防ぐ為替介入を実施するなど、円安が日本経済に大きな影響を及ぼしている。為替の変動にはメリットとデメリットがあり、どの程度の水準が妥当なのか決めるのは難しい。だが日本のモノ作りという部分に焦点を絞ると1ドル=150円というのは1つの目安になる。

経済評論家 加谷珪一

経済評論家 加谷珪一

加谷珪一(かや・けいいち) 経済評論家 1969年宮城県仙台市生まれ。東北大学工学部原子核工学科卒業後、日経BP社に記者として入社。 野村證券グループの投資ファンド運用会社に転じ、企業評価や投資業務を担当。独立後は、中央省庁や政府系金融機関など対するコンサルティング業務に従事。現在は、経済、金融、ビジネス、ITなど多方面の分野で執筆活動を行っている。著書に『貧乏国ニッポン』(幻冬舎新書)、『億万長者への道は経済学に書いてある』(クロスメディア・パブリッシング)、『感じる経済学』(SBクリエイティブ)、『ポスト新産業革命』(CCCメディアハウス)、『新富裕層の研究-日本経済を変える新たな仕組み』(祥伝社新書)、『教養として身につけておきたい 戦争と経済の本質』(総合法令出版)などがある。

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どの程度の為替レートが適切な水準と言えるのだろうか

(Photo/Getty Images)


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円安はメリットなのかデメリットなのか?

 年初に1ドル=110円台だったドル円相場は、その後、急ピッチで円安・ドル高が進み、9月22日には1ドル=145円を突破した。円安のペースが加速していることを懸念した政府・日銀は、同日、24年ぶりとなる為替介入を実施。一時的に5円ほど円高に戻したものの、それ以上の効果は見られなかった。

 日本では長く、円安は経済にとってメリットが大きいと言われてきた。円安になれば、輸出企業の収益が拡大し、賃金や国内取引先への支出増大によって、最終的には国内消費が増えるというメカニズムである。だが、日本の製造業の多くは生産拠点を海外に移しており、海外の現地法人が受け取った代金は国内に還流しなくなっている。このため、円安によって決算書上の収益は増えても、マクロ経済的には大きな効果をもたらさない。一方、輸入品の価格上昇によって消費者の生活は苦しくなっており、どうしても円安のデメリットが目立ってしまう。

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輸出を行う製造業にとっても、必ずしも円安が得策とは限らない

(Photo/Getty Images)


 輸出を行う製造業にとっても、必ずしも円安が得策とは限らない。

 円安になれば輸出した分の売上高は増加するが、輸入のコストも増える。国内で販売する分については、円安によるコスト増を価格に転嫁できなければ、逆に収益悪化要因となる。また、今回のように物価上昇(インフレ)が進んでいる場合、輸出製品の価格を上げられないと、輸出価格と輸入価格の比率(交易条件)が悪化して富が海外に流出してしまう。

 いくらの為替レートが適性なのかについては、国内の購買力がどの程度なのか、輸出企業の国際競争力が高いのか、低いのかによって大きく変わってくる。

【次ページ】iPhoneとビックマックから考える為替水準

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