先週のロレックス相場定点チェックに引き続き、今回もまた実勢価格の話題になって恐縮だが、先日(11月21日)に校了した筆者が刊行する高級腕時計の専門誌“パワーウオッチ1月号”の校了間際の出来事について触れたいと思う。
パワーウオッチに毎号掲載している並行輸入店の入荷情報コーナー。比較検討するうえで毎回活用されている読者も多いのではないだろうか。編集部の制作担当者曰くには、今回その入荷情報ですでに入稿されたロレックスの実勢価格に、校了間際になって急遽だいぶ下方修正が入ったというのである。つまりそれだけ急激な値動きだったようだ。
今回、急激な動きがあったのはどちらかというと定価の数倍も高騰して何千万円という異常な金額となったモデルのようだが、なかには一気に100万円以上も下がったものがあったりと、かなり激しかったらしい。
そこで、昨日(11/25)更新された「人気11モデルの週刊ロレックス相場」(関連記事参照)の状況を確認してみると、確かに異常なプレミアム価格となっているデイトナ、GMTマスター II 、グリーンサブの3モデルもわずか1週間で10万円以上も値を下げていた。
では、現在どのような状況なのかについてあるショップに聞いてみたところ「やはり価格が上がりすぎたことと、上下動はあるものの現在はどちらかというと値下がり傾向にあるため、正直なところ売れにくくなっている。加えて流通量も全体的に増えてきていることも大きく関係していると思う」と話す。
去る今年7月に、ドイツにある高級時計の巨大なECサイト“Chrono 24”のCEO、ティム・シュトラッケ氏へ筆者がインタビューをした際にも、ティム氏は、ロレックスに限らずトロフィーウオッチ(資産的に注目されている時計を指す)も含めて世界的に商品流通数が増えていると語っていた(関連記事参照)。その例に挙げていたのがデイトナ、300本ぐらいだった出品数がいまや3倍以上。4月以降値下がりを続けているのにはこういった背景があると言う。
つまり、投機目的として注目していたユーザーが少しずつ離れ、かといっていくら純粋にデイトナが好きで欲しいと思っても、勢いで買えるほどの価格レベルでもない。「売りにくい」という現状はこういうことなのだろう。
そして今回急落した3モデルのなかでデイトナの白文字盤の下げ幅が23万円と大きい。そのため一時期は100万円以上も実勢価格に差があった黒文字盤との価格差はグッと小さくなってきている点にも注目しておきたい。
大きく値を下げたのは以下の3モデルの1週間の値動きは以下のとおり!
1、【デイトナ/Ref.116500LN】国内定価172万400円
・実勢価格(黒文字盤): 464万円→445万円(1週間で11万円ダウン)
※白文字盤は、501万円→478万円(1週間で23万円ダウン)
2、【GMTマスターII/Ref.126710BLRO】国内定価127万2700円
・実勢価格: 319万円→305万円(1週間で14万円ダウン)
3、【サブマリーナーデイト グリーン/Ref.126610LV】国内定価125万9500円
・実勢価格: 267万円→255万円(1週間で12万円ダウン)
ちなみにパワーウオッチ1月号(No.127)は11月30日(水)発売。銀座総力特集「13店に聞いた、何が売れている? 円安の影響は? インバウンドは?」などの実態調査。街角スナップもけっこう銀座らしくて驚いた。ぜひ読んでもらえたらうれしい。(Amazonで予約販売中)
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菊地 吉正 - KIKUCHI Yoshimasa
わずか1週間。一部モデルの実勢価格に異変!?|ロレックス通信 No.174 - ウオッチライフニュース
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