製品やサービスを提供する企業や個人にとって、「価格設定」は収益に直結する非常に重要な要素です。しかし、製品やサービスにとって適切な価格を設定するのは、何も参考にするものがない状況では非常に困難です。ウェブサイト「PriceOps」では、特にインターネット上でサービスを運用するSaaSにおける「価格設定に重要な5つの柱」について解説されています。
The 5 Pillars of PriceOps
https://priceops.org/
◆第1の柱:価格設定を明確に示す
多くのサービスでは、サービスの利用頻度やユーザーの環境に応じた複数の料金プランが用意されています。ここで重要なのは、各プランをユーザーに提示する際に当該プランで提供可能なサービスを明確にすることです。各プランで提供されるサービスが明確になることで、ユーザーは最適なサービスを選択可能となり、サービスの運営者は価格調整や一時的な割引きの際の混乱を避けることができます。
◆第2の柱:ユーザーのスケジュールを把握する
ユーザーのサービス利用開始日時やプラン変更日時を把握することで、料金プランの妥当性を検証することが容易になります。加えて、「初回アクセスから数週間すべての機能にアクセス可能な試用期間」などの設定も可能になります。また、ユーザーのスケジュール把握は、適切な料金請求を行うためにも重要です。
◆第3の柱:利用状況の測定
上記のように、適切な料金請求にはユーザーのサービス利用開始日を把握することが重要ですが、他にも「サービスの使用回数」や「使った機能」などを把握することも重要です。ユーザーのサービス利用状況を正確に把握するには「ユーザーごとに割り振った識別子」「機能ごとに割り振った識別子」を追跡して、各識別子の増減および増減した日時を記録する必要があります。この時、無料で利用できる機能についても、将来の有料化を見越して利用回数やタイミングを記録しておくことが求められます。
各イベントの回数を記録するタイミングは、イベントの種類によって以下の2通りが考えられます。
・イベントが発生するタイミングで記録
イベントが発生する頻度が低い場合は、イベントの発生ごとに回数を記録する手法が適しています。例えば「新しいアカウントを作成」「ファイルをアップロード」「レポート作成を実行」といったイベントが当てはまります。
・時間単位で記録
イベントが高頻度で発生する場合や実行速度が求められる場合は、時間単位ごとの回数記録が適しています。例えば「ダウンロードリクエスト」などのイベントが当てはまります。
◆第4の柱:利用資格の確認
料金プランによってユーザーの機能利用回数やファイル容量を制限している場合は、超過利用を検出する必要があります。各機能の超過利用確認がパフォーマンスよりも優先される場合は、機能の利用ごとに利用資格を確認すればOK。反対に、超過利用確認よりもパフォーマンス維持を優先する場合は、定期的に効果利用の有無をチェックする必要があります。
◆第5の柱:価格設定ツールの使用
上記のように、適切な価格設定のためには利用状況の計測や、利用資格の確認などをユーザーや機能ごとに実施する必要があります。これらの操作を人力で行うと、多大なコストがかかるだけでなくヒューマンエラーが発生するリスクも生じます。このため、価格設定に必要な測定機能を備えたツールを利用することが望ましいとされています。
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最適な価格設定に役立つ5つの原則 - GIGAZINE(ギガジン)
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