物価の優等生とも言われる卵が値上がりしています。
飼料価格の高騰や鳥インフルエンザの感染拡大が主な要因で、大阪地区での去年12月の平均の卸売価格が1993年以降、最も高くなるなど、高止まりが続いています。
販売会社大手の「JA全農たまご」によりますと、大阪地区の卵の卸売価格は去年12月の平均でMサイズ1キロあたり294円となり、統計を公表している1993年以降、最も高くなりました。
先月の平均でも、Mサイズ1キロあたり286円とほぼ横ばいで、高止まりの状況が続いています。
ロシアによるウクライナ侵攻の影響でニワトリのエサとなるとうもろこしなどの価格が高騰していることに加えて、鳥インフルエンザの感染拡大で卵の出荷が減少していることなどが主な要因です。
農林水産省では、家庭用のパック入りの卵の供給は十分確保できているとする一方で、食品メーカーなどに出荷される加工用の卵については、一部で供給が滞るケースも確認されているということです。
コンビニ大手のセブン‐イレブン・ジャパンが卵を使った一部の商品の販売休止や規格の見直しを行うなど、影響が徐々に出始めていて、農林水産省は引き続き需給の動向を注視することにしています。
【スーパーでは一部品薄】
鳥インフルエンザの影響などで全国的に卵の価格が高止まりする中、大津市のスーパーでも卵の値段が去年の同じ時期よりも値上がりし、種類によっては品薄になっているものも出ています。
大津市にある「コープぜぜ店」では、人気のあるMサイズの10個入りのパックが去年の同じ時期には168円でしたが、1日の時点では248円と、1.5倍近くになっています。
また、この店では、地元の滋賀県内で生産された卵が人気だということですが、品薄になっていました。
先月(1月)、滋賀県内で鳥インフルエンザが発生したことを受けて、入荷する量が少なくなっていることが原因だということです。
買い物に来ていた大津市の男性は、卵の価格が上がっていたために10個入りではなく、6個入りの卵を購入したということで、「毎日のように卵は食べるので値段が高くなるのは大変です」と話していました。
「コープぜぜ店」の堀元昭 店長は「ニワトリのエサ代や燃料価格の高騰に加えて、鳥インフルエンザの影響が原因とみられ、このような状況は初めてです。仕入れ価格が上がっているので大変ですが、卵は生活の必需品なのでできるだけ早く、安く提供できるよう、状況が改善してほしいです」と話していました。
【お好み焼き店も打撃】
卵の価格の値上がりは、卵を使った料理を提供する飲食店にも打撃となっています。
大津市にあるお好み焼き店では、卵を2個使って作る直径20センチほどの大きさのお好み焼きが看板商品です。
この店では、Sサイズの卵を1箱10キロ単位でこれまでは2800円ほどで仕入れてきましたが、数日前に仕入れた際は、3800円ほどと、大幅に値上がりしていました。
お好み焼きを作るために欠かせないマヨネーズやソース、それに小麦粉など多くの材料が値上がりするなか「物価の優等生」と言われていた卵まで値上がりしてしまったことから、ふだんと比べると利益が1割から2割ほど減ってしまったということです。
このまま卵の高騰が続けば、開店した3年前(2020年)から据え置いてきたお好み焼きの価格を値上げすることも考えているということです。
大津市のお好み焼き店「もず」の店主、上田泰枝さんは、「卵を仕入れたときに、請求書を見て驚きました。仕入れ先からは、今後も値上げの可能性があると言われています。卵は、お好み焼きの主役で、減らすと味も変わるので、使う卵の量は少なくしたくありません。うちのお店は個人経営のため、なんとか調整はしていますが、このままの状況が続くと厳しいです」と話していました。
「物価の優等生」卵も値上がり 卸売価格高止まり|NHK 関西のニュース - nhk.or.jp
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