2022年〜2023年に主力ミニバンの多くが相次いでフルモデルチェンジされた|次期新型フリードの登場は2024年4月以降と予想
2022年には、ミニバンのフルモデルチェンジが相次ぎました。ミドルサイズミニバンでは、トヨタ 新型ノア&新型ヴォクシー、ホンダ 新型ステップワゴン、日産 新型セレナです。コンパクトミニバンのトヨタ 新型シエンタも、フルモデルチェンジされました。2023年6月には、トヨタ 新型アルファード&新型ヴェルファイアも発表されています。
今は以前に比べてミニバンの車種数が減ったので、2022年から2023年にかけて、主力車種の大半がフルモデルチェンジを受けました。
そこで気になるのがホンダのコンパクトミニバン、フリードです。現行フリードの発売は2016年なので、すでに約7年を経過しています。
現行フリードは設計の古いミニバンですが、売れ行きは好調です。2023年1月から6月までのミニバン販売ランキングを見ると、1位は新型シエンタ、2位は新型ノア、3位は新型ヴォクシーで、4位に現行フリードが入っています。
現行フリードの2023年の1か月平均登録台数は7252台に達しました。2022年に発売された新型ステップワゴンの2662台を大幅に上まわり、息の長い人気を得ています。
2023年に日本国内で最も多く売られたホンダ車は、国内販売の1位になるホンダ 新型N-BOXで、2位が現行フリードでした。現行フリードは設計が比較的新しいコンパクトカーのホンダ 新型フィットよりも多く売れています。
それでもフリードは、設計が古くなったことから、2024年4月以降には次期型へのフルモデルチェンジが予定されています。そこで次期フリードについて予想してみましょう。
次期新型フリードの外観|新型ヴェゼルのようなフロントマスクになりそうだ
まず外観では、フロントマスクの変更が注目されます。新型フィットの顔立ちはあまり評判が良くないので、新型ヴェゼルのようなデザインになるでしょう。
ボリューム感の伴う顔立ちですが、後で触れる通り、ボディサイズが大きく変更されることはないでしょうから、ボディ側面の形状はあまり変化しません。
次期新型フリードのボディサイズ|貴重な5ナンバーサイズに合わせてボディサイズは大幅変更なし
次期フリードのボディサイズは現行型とほぼ同じとなりそうです。新型ステップワゴンがボディサイズに制限のない3ナンバー専用車になり大きくなったため、フリードは5ナンバーサイズ(※)であることに価値があり、現行型のサイズを踏襲するでしょう。
(※)全長が4700mm以下、全幅が1700mm以下、全高が2000mm以下のボディサイズ。排気量は2000cc以下。
おそらく全長は現行型の4265~4295mmに近く、拡大しても4400mm以内です。全幅は5ナンバーサイズいっぱいの1695mm。最小回転半径も現行型の5.2mを踏襲するでしょう。大回りになっても5.3mが限界です。
ちなみにライバル車の新型シエンタも、プラットフォームを刷新しながら、全高以外のボディサイズは先代型と変えていません。コンパクトなサイズに価値があるためで、同じことが次期フリードにも当てはまります。
次期新型フリードのシート|2列目のキャプテンシートはそのままに、3列目が快適な座り心地に
それでも全高は見直すでしょう。現行フリードは、床の高さが新型ステップワゴンと同程度でも全高は130mmほど低いです。この影響で現行フリードは室内高が不足し、頭上の空間を確保するために低い位置に座る必要があり、床と座面の間隔も乏しくなりました。
特に現行フリードの3列目シートは、着座位置が低いために腰が落ち込んで膝の持ち上がる座り方です。3列目は窮屈で、多人数乗車時の欠点になっていました。
そこで次期フリードでは全高を持ち上げて床と座面の間隔も拡大させ、3列目を中心に居住性を向上させるでしょう。コンパクトなサイズで、多人数が快適に乗車できるミニバンを目指した開発が行われるはずです。
次期フリードの2列目シートは、現行型と同様、セパレートタイプのキャプテンシート(6人乗り)が基本で、ベンチシート(7人乗り)も選べるようにするでしょう。ライバル車の新型シエンタは、キャプテンシートを用意しないため、フリードにとってはライバル車と差別化ができる大切な特徴です。
次期新型フリードには現行フリード+(プラス)のような2列シート仕様も用意されるだろう
次期フリードのシートバリエーションとしては、荷室の使い勝手が優れた2列シート仕様も継続して設定するでしょう。
現行フリードでは2列シートがフリード+(プラス)として用意され、フリード全体の販売台数の約25%を占めるからです。販売の主力は3列シートですが、2列シートも相応に支持されています。
次期新型フリードのエンジン|ハイブリッドはついに高効率で低燃費に貢献するe:HEVを搭載!
次期フリードで最も大きく変わるのはメカニズムです。パワーユニット(動力源)からプラットフォーム(ボディ骨格)まで、さまざまな機能を進化させるでしょう。
現行フリードのエンジンは直列4気筒1.5Lで、ノーマルタイプとハイブリッドがあります。次期フリードではノーマルとハイブリッドの両方とも性能を向上させ、特にハイブリッドは機能を刷新させると予想します。
現行フリードが搭載するハイブリッドは、i-DCDと呼ばれるタイプで、1個のモーターを組み合わせています。トランスミッションは、2組のクラッチを使う7速ATです。
それが次期フリードでは、今のホンダのハイブリッドに幅広く使われるe:HEVに進化させるでしょう。エンジンは主に発電を行い、その電力を使って、モーターがホイールを駆動します。高速道路での巡航時のみ、エンジンが直接ホイールを駆動して効率を向上させる場合もあります。
ハイブリッドをe:HEVに変更することで、加速が滑らかになり、ノイズや振動も低減されます。ハイブリッドのWLTCモード燃費は、現行型では2WDが20.9km/Lですが、次期型はe:HEVになって26km/L前後に向上するでしょう。
ノーマルエンジンとe:HEVの価格差は約35万円に抑えるはずなので、次期フリードではe:HEVが狙い目です。
次期新型フリードの走行性能・乗り心地
次期フリードではボディやサスペンション、ステアリングの支持剛性などを向上させて、走行安定性、ステアリング操作に対する反応、乗り心地なども改善されるでしょう。
現行フリードは発売から約7年が経過するため、ステアリング操作に対する反応が鈍めに感じられ、カーブの多い峠道を走った時も少し曲がりにくいです。そのため、特に峠道などのシーンでは乗り心地も悪く感じられました。
次期フリードではこれらの特性が改善され、曖昧さを払拭させて正確な運転感覚を楽しめるでしょう。キビキビとした走行ができるようになれば、乗員が不快に感じる、ハンドルをより曲げたりまっすぐ戻したりすることで、ハンドルの切れ角を微調整する修正舵を入れることがなくなるため、乗り心地も改善されます。
次期新型フリードの安全装備|渋滞時の運転支援などが追加されてより快適なドライブが楽しめる
また、次期フリードは安全装備や運転支援機能も向上するでしょう。新型ステップワゴンと同様、後方の並走車両を検知して知らせるブラインドスポットインフォメーション、渋滞時の運転支援機能などが加わり、衝突被害軽減ブレーキも右左折時の対応を可能とします。
次期フリードの安全装備と運転支援機能は、新型ステップワゴンと同等か、さらに向上させます。
以上のように次期フリードは、居住性、走行性能、乗り心地、安全装備まで、幅広く進化されるはずです。ホンダ車の中ではN-BOXに次ぐ国内の売れ筋車種なので、失敗するとホンダの屋台骨が揺らぐため、渾身の開発が行われると予想できます。
次期新型フリード買い得グレードの予想価格|ノーマルエンジンは240万円前後、ハイブリッドは275万円程度
これだけ幅広く装備を充実させたとしても、次期フリードの価格は高められません。ライバル車の新型シエンタが、安全装備を充実させて価格を割安に抑えている事情もあります。
1.5Lのノーマルエンジンを搭載する次期フリードの買い得グレードは、衝突被害軽減ブレーキ、運転支援機能、ブラインドスポットインフォメーション、LEDヘッドランプ、両側スライドドアの電動機能などを標準装着して240万円前後でしょう。新型ステップワゴンで価格が最も安い1.5Lターボのエアーグレードが305万3600円なので、次期フリードは新型ステップワゴンよりも65万円ほど安く設定されると考えられます。
次期フリード ハイブリッドの買い得グレードは、35万円上乗せされて275万円くらいと予想します。新型ステップワゴンe:HEVエアーグレードは343万7500円なので、フリードe:HEVは約70万円安くなる想定です。
ちなみにライバル車の新型シエンタは、1.5Lのノーマルエンジンを搭載して実用装備を充実させた7人乗りのGグレードが234万円、ハイブリッドでは269万円です。
次期フリードでは現行フリードを踏襲して2列目にキャプテンシートを採用するなど、高コストで価格が若干上まわると思われますが、大差は生じません。むしろ戦略的に新型シエンタよりも安く抑える可能性もあります。次期フリードは実用的で買い得なミニバンとして、大いに注目されるでしょう。
【筆者:渡辺 陽一郎 カメラマン:小林 岳夫/佐藤 正巳/茂呂 幸正/MOTA編集部】
【2023年】ホンダ 次期新型フリードの予想価格は240万円程度と良心的! エンジンや安全装備は最新型に進化し2024 ... - MOTA
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