[ワシントン 11日 ロイター] - 米労働省が11日発表した7月の卸売物価指数(PPI、最終需要向け財・サービス)は前月比、前年比ともに伸びが加速した。サービス価格が約1年ぶりの高い伸びとなったことが背景。ただ、インフレ圧力が緩和しつつあるトレンドは継続している。
コメリカ・バンクのチーフエコノミスト、ビル・アダムス氏は「米経済は賃金の急上昇によるインフレ圧力になお直面しているが、企業の投入コストの落ち着きは今秋に消費者物価が下落基調を保つのに役立つだろう」と述べた。
前月比では0.3%上昇。6月分は0.1%上昇から変わらずに改定された。
前年比では0.8%上昇。6月は0.2%上昇だった。
ロイターがまとめたエコノミストの予想は、前月比0.2%上昇、前年比0.7%上昇だった。
サービスは前月比0.5%上昇と、6月の0.1%下落から上昇に転じ、昨年8月以来の大幅な伸びとなった。
投資ポートフォリオ管理手数料が7.6%急上昇し、サービスの上昇分の40%を占めた。6月は0.4%下落していた。7月の急上昇は米連邦準備理事会(FRB)が利上げを終了したとの見方を背景に金融市場が堅調なパフォーマンスを記録したことが寄与したとみられる。
そのほか、機械・自動車卸売、化学関連製品、証券仲介などが上昇。外来診療は0.7%上昇したが、入院費は減少した。航空運賃は1.7%上昇した。
一方、食品・酒類は2.5%下落。貨物・輸送も下落したが、運輸・倉庫は0.5%上昇した。上昇は1年超ぶりだった。
モノは0.1%上昇した。前月は横ばいだった。食料品価格が0.5%上昇、エネルギーはほぼ変わらず。
変動が大きい食品とエネルギーを除いたモノのコア指数は横ばい。6月は0.2%下落していた。
FHNフィナンシャルのマクロ・ストラテジスト、ウィル・コンパーノール氏は「ここ2カ月間の消費財価格のディスインフレは確かな足取りであり、今後も続くはずだ。FRBや市場参加者が以前から期待していたディスインフレはほとんどがサプライチェーンの正常化に起因している」と述べた。
変動が大きい食品とエネルギー、貿易サービス部門を除いたコア指数は前月比0.2%上昇し、6月の0.1%上昇から伸びが小幅加速。前年比は2.7%上昇し、伸びは前月と並んだ。
前日発表された7月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は前年比3.2%上昇で、13カ月ぶりに前月から伸びが加速した。
CPIとPPIを受け、エコノミストは7月のコア個人消費支出(PCE)価格指数が6月と同じく前月比で0.2%上昇すると予想。一方、前年比は4.3%上昇と6月の4.1%上昇から加速すると見込んだ。
レイモンド・ジェームズのチーフエコノミスト、ユージェニオ・アレマン氏は「ディスインフレ圧力の高まりが継続し、インフレ率がFRB目標の2%に近づいているにもかかわらず、われわれはまだ森から抜け出せていない」とした。
米7月PPI、前年比+0.8%に加速 サービス価格1年ぶりの高い伸び - ロイター (Reuters Japan)
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