ファミリータイプで億ションも珍しくないが
東京を中心にマンション価格の高騰が話題になっている。新築ファミリータイプのマンションで1億円を超えるものも珍しくなくなった。中古マンション価格も同様に上がっている。
果たしてこれは新たなバブルなのか。バブルだとすれば、いずれはじける危険に備えなくてはならない。それとも持続性のある変化なのだろうか。今回はこの点を考えてみよう。
■図表1 中古マンション価格の推移(2023年10月時点)
まず図表1をご覧頂きたい。1993年からの黒と灰色系の折れ線(左メモリ)は、東京都と近隣3県の中古マンション価格指数(不動研住宅価格指数)である。不動産バブルのピーク1990年までは残念ながら遡及できないが、1990年代前半から2000年代初頭にかけて、約3分の1の水準まで急落した。
その後、2007年のミニ不動産ブームで価格は持ち直すが、2008年のリーマンショックと世界的な景気後退で再度下落し、2012年に底をついた。そこから2023年まで長い上昇が続いている。
2019年頃のマンション市況予測では、私が知る限りほとんど全ての論者は「マンション価格の上昇も東京オリンピックまで、その後は反落の可能性が高い」という見通しを述べていた。ところが、新型コロナによる景気後退を乗り切ると、反落どころか一段の高騰となった。
次に図表1の青から赤までのカラーの折れ線は、東京23区地域別の既存マンション平均価格を1平米当たりの単価で示したものだ(右メモリ、単位は万円、データ:東日本不動産流通機構)。
最も価格が高い都心3区(千代田区、中央区、港区)の平米単価は160万円(2023年10月)で、2013年頃の80万円から約2倍(年率の上昇率では7%台)になった。70平米でファミリータイプならば1億1200万円になる。
城西地区(新宿区、渋谷区、杉並区、中野区)は平米単価122万円なので、70平米なら8540万円だ。しかしこれは中古価格(平均築年数15~20年)なので新築ならやはり1億円前後になるだろう。
その他の地域は、価格水準こそ都心3区より低いが、過去10年ほどの価格の上昇率はやはり2倍近い。2023年に入ってからは、都心3区では前年比の上昇が鈍化する一方、他の地区での上昇率が上がっている。都心部の高騰がやや時間差をおいて周辺に波及していると言えよう。
10年で2倍! 高騰する都心のマンション価格、それでもこれはバブルではない(竹中 正治) @moneygendai - 現代ビジネス
Read More
No comments:
Post a Comment