サウナブームが到来して久しい。今やサウナ施設の数は全国1万2000以上ともいわれ、特色あるサウナも次々と誕生している。施設の利用料金は1000円以下の安価なケースから、数千円の個室サウナなど高単価のケースまで幅広く、価格体系もさまざまだ。今回の記事ではサウナの料金体系を例に、最適な価格モデルを構築するための考え方について考察する。(プライシングスタジオ代表取締役 高橋嘉尋)
サウナの価格体系は
愛好家の“ルーティン”がベース
ここ数年で一気に火が付いたサウナブーム。その勢いはまだまだとどまるところを知らない。かくいう筆者も「サウナー」の一人だが、注目しているのは実にバリエーション豊富なその価格体系だ。
そもそもサウナというものには鉄板とされる入浴スタイルが存在する。まずサウナに10分程度入り、シャワーや掛け湯で汗を流す。その後、水風呂に漬かり、外気浴で10分ほど休憩する。これを1セットとして2~3回ほど繰り返す。このルーティンにより、俗に言う「ととのう」(=深くリラックスする)状態になりやすいと言われている。
つまり、1セットがおよそ25分。3セット繰り返すとなると75分かかり、着替えや入浴を考慮するとおおよそ90分くらいが所要時間といえる。もちろん、個々人のスタイルによって所要時間も異なるが、サウナ施設ではこうした滞在時間をベースに組み立てられている価格体系が比較的多く見受けられる。
例えば「60分いくら」「90分いくら」といった形で、滞在時間ごとに料金が定められているケースがある。一方で、基本的には時間制限を設けず、滞在時間に比例して利用料が増えるサウナも存在する。ただし、後者の中にはヘビーユーザーに配慮し、駐車料金のように最大料金(=上限価格)が設定されている場合もある。
加えて、滞在時間の長短にかかわらず「完全一律料金」で利用できる施設もある。どういった価格体系を採用しているかは施設によって実に多様だ。
こうした価格体系のパターンにはそれぞれメリット・デメリットがある。今回の記事ではサウナの料金プランを深掘りし、「顧客」と「施設」の両者にとってベストな価格体系を考察してみよう。
サウナ利用料で考える「値付けの奥深さ」一律料金なら680円で客数最大…最も儲かる価格設定は? - ダイヤモンド・オンライン
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