Rechercher dans ce blog

Saturday, March 16, 2024

「ビットコインの価格が高騰する理由」を米経済紙があらためて解説 | 価格が大幅に変動するのはなぜか - courrier.jp

Illustration: The Wall Street Journal

Illustration: The Wall Street Journal

Text by Alexander Osipovich

クーリエ・ジャポンのプレミアム会員になると、「ウォール・ストリート・ジャーナル」のサイトの記事(日・英・中 3言語)もご覧いただけます。詳しくはこちら

先週、暗号資産(仮想通貨)ビットコインが記録的な高騰を見せたのはなぜか? この世界最大の発行数量を誇る暗号資産のファンたちは、昔ながらの需要と供給の法則によるものだと言う。

金・石油・大豆など、どんなコモディティー(国際商品)の価格でもそうであるように、ビットコインの価格も需要の変動に敏感だ。その需要は、ビットコインの現物を直接保有する上場投資信託(ETF)の取引が1月に米国で始まった後に急増した。それ以来、投資家はこの種のETFに数十億ドルを注ぎ込んだ。こうした資金流入により、各ETFは需要に応えるためにビットコインを購入し、価格はつり上がった。

しかし、ビットコインが他の商品と異なるのは、供給が厳しく制限されていることだ。このため価格が急騰する場合がある。

ビットコインを支えるコンピューターのコードは、2100万枚という発行上限を定めている。その90%以上がすでに生成されている。供給を拡大するためには、コンピューターで新しいコインを「マイニング(採掘)」するアルゴリズムを実行する。しかし、1日に約900枚しか新しいコインを生み出せず、そのペースは「半減期」と呼ばれる定期的に到来するイベントの後、来月には下がると予想されている。ビットコインの新規供給は、最後のコインが採掘される2140年頃に停止する予定だ。

「ビットコインは世界で最も希少な資産のひとつであり、日々さらに希少になりつつある」と暗号資産運用会社ギャラクシー・デジタルのリサーチ責任者、アレックス・ソーン氏は言う。

ビットコイン価格が上昇し続ける保証はない。現在の高値は、保有者がコインを売却して利益確定することを促す可能性がある。ビットコインの過去の強気相場では、その後に壊滅的な暴落に見舞われている。2021年11月に前回のピークをつけた後、その後1年間で70%以上下落した。

政府関係者やウォール街の企業幹部など、ビットコインの上昇を傍観してきた懐疑的な人々は、ビットコインを本質的価値のない投機的資産と見なしている。

経済学の専門用語では、ビットコインの供給は非常に「非弾力的」だと言える。これは価格の動きに反応しないことを意味する。このような性質を持つコモディティーは価格変動が起こりやすい。例えば天然ガスの生産者は、価格高騰に乗じて短期的にガスを大量にくみ上げることはできない。

しかし長期的には、天然ガス価格の高騰が続くと、掘削業者が新たなガス井を発見する動機となる。同様に、金価格が長期にわたって高騰すると、金鉱業者はコストのかかる新しい採掘プロジェクトを追求し、これまで以上に変わった場所で金を探し求めるようになる。

ビットコインの場合は、そうはいかない。ビットコインは、コードに組み込まれたルールで、採掘者が市場に新しいコインを持ち込むことができる量が指定されており、この量は定期的に半減する。過去には、ビットコインの価格はこの半減期を前にして上昇した。投資家が供給の逼迫(ひっぱく)を予想したためだ。

ビットコインの最大供給量が固定されているべきだという考えは、ビットコインの生みの親だとされる人物、サトシ・ナカモト氏に由来する。同氏は、発行上限を設けることでビットコインはインフレを起こさないと主張していた。

投資会社スワン・ビットコインの個人顧客サービス責任者、スティーブン・ルブカ氏は、「根本的に市場に追加供給をする能力はない」と述べた。

このため、ビットコインは需要の増加に敏感だ。新しいETFは1月11日に売り出されて以来、ビットコインを買いあさっている。その日、9本の新しいビットコイン現物ETFが取引を開始し、既存のファンドであるグレースケール・ビットコイン・トラストがETFに転換した。それ以来、これらのETFへの純資金流入額は80億ドル近くに上っており、新規ETF9本への資金流入がグレースケールからの資金流出を上回っている。

投資調査会社バイトツリー(ByteTree)の推計によると、5日時点で、世界のビットコイン総供給量の5%がETFやその他の投資ファンドによって保有されており、米国の新ETFが取引を開始した1月11日の4.4%から増加している。

ETFが投資家の需要を満たすために新たなビットコインを購入する場合、一般的にはシカゴに拠点を置くトレーディング大手DRWホールディングスの一部門であるカンバーランドや、ニューヨークに拠点を置くジェーン・ストリート・キャピタルなどの自己勘定取引会社に頼っている。こうした会社は暗号資産取引デスクを運営しており、ファンドの注文を満たすためにデジタル通貨市場で大量のビットコインを探し回っている。

一部のアナリストによると、ビットコインを大口保有者から入手するのはますます難しくなっている。公開されているブロックチェーンのデータによると、世界のビットコイン供給量約1960万枚の多くは、ほとんどコインを移動させないデジタルウォレットに保管されている。そのウォレットは売却するつもりのない長期ビットコイン保有者のものか、保有者がパスワードを紛失してコインにアクセスできなくなっている可能性がある。

スイスのプライベートバンク、ジュリアス・ベアのアナリスト、マニュエル・ビレガス氏は最近のリサーチノートで、ビットコイン供給量の約80%は過去6ヵ月間取引されていないと述べた。ETFの資金流入や、取引所で販売可能なビットコインの在庫が限られていることを示唆するデータも相まって、「供給ひっ迫の舞台が整う可能性がある」とビレガス氏は書いている。

一方、価格上昇をとらえて売り込む投資家も多いと言う人もいる。先週にビットコイン価格が2021年の記録を一時的に上回った後、勢いが失速したのは、そのためかもしれない。

DRWの取引関係の管理責任者であるロブ・ストレベル氏は、ここ数週間ETFへの資金流入が多い中、傘下のカンバーランドがETFの需要に見合うビットコインを見つける上で問題はなかった、と述べた。そのビットコインの多くは、価格が安いときに購入し、利益を得る機会を得た大口の暗号資産投資家から購入したという。

「ビットコインのように、市場が放物線を描いて上昇するのを見れば、自然な売りのチャンスだ」とストレベル氏。「そして特に、2021年の前回の強気相場を覚えている人々は、賭け金をテーブルから減らしている」


Adblock test (Why?)


「ビットコインの価格が高騰する理由」を米経済紙があらためて解説 | 価格が大幅に変動するのはなぜか - courrier.jp
Read More

No comments:

Post a Comment

「国の補助金など価格抑制策の継続」など 東北6県生協連が家灯油の高騰対策を要請 - TBS NEWS DIG Powered by JNN

[unable to retrieve full-text content] 「国の補助金など価格抑制策の継続」など 東北6県生協連が家灯油の高騰対策を要請    TBS NEWS DIG Powered by JNN 「国の補助金など価格抑制策の継続」など 東北6県生協連が...