[31日 ロイター] - 米商務省が31日発表した4月の個人消費支出(PCE)価格指数は、前年比2.7%上昇し、伸びは3月から横ばいとなった。一方、個人消費支出の伸びは鈍化。利下げ時期を探る米連邦準備理事会(FRB)にとって複雑なシグナルとなった。
個人消費支出は前月比0.2%増と、3月の0.7%増から鈍化。価格上昇のペースが予想より長く続く可能性があることが示唆されると同時に、今後は消費者支出が低迷し価格上昇が抑えられる可能性も示された。
これを受け、金利先物市場でFRBが9月に利下げを開始する確率が約50%に上昇したほか、12月に2回目の利下げが行われる確率も同程度に上昇した。
<スーパーコアの伸び鈍化>
PCE価格指数は前月比で0.3%上昇。ロイター調査によるエコノミスト予想は前月比0.3%上昇、前年比2.7%上昇だった。
変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアPCE価格指数は前年比2.8%上昇。伸びは前月と同じだった。前月比は0.2%上昇。前月は0.3%上昇していた。
FRB当局者が「スーパーコア」として注目するエネルギーと住宅を除くPCEサービスは0.3%上昇。前月は0.4%上昇していた。
モノの価格は0.2%上昇。前月の0.1%上昇から加速した。
サービス価格は0.3%上昇。前月の0.4%上昇から鈍化したものの、住宅・光熱費が引き続き主要な押し上げ要因となった。
エネルギー価格が1.2%上昇した一方、食品価格は0.2%低下した。
インフレ調整後の個人消費支出は0.1%減。3月は0.4%増加していた。
インフレ調整後のモノの消費支出は0.4%減と、前月の0.9%増から反転。サービス消費支出は0.1%増。伸びは前月の0.2%増から鈍化した。
ナードウォレットのシニアエコノミスト、エリザベス・レンター氏は「消費者はしばらく苦しい状況に置かれていたが、それが(統計に)表れ始めているようだ。こうした鈍化は今後のインフレ鈍化につながる可能性がある」と述べた。
インディペンデント・アドバイザー・アライアンスの最高投資責任者(CIO)、クリス・ザッカレリ氏は「FRBがゆっくりと金利を引き下げていくことができれば、市場にとって望ましい」としながらも、「消費支出と経済が急速に減速すれば、企業利益と株価はFRBの利下げが可能になる状態よりもはるかに急速に下向く」と慎重な見方を示した。
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米PCE価格指数、4月2.7%上昇と伸び横ばい 個人消費が鈍化 - ロイター (Reuters Japan)
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