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Saturday, June 1, 2024

ビットコイン価格上昇で注目! 「暗号資産取引」の“特徴とリスク”を初歩から解説 - 価格.comマガジン

皆さん、こんにちは。金融文筆家の田代です。

2024年に入って、暗号資産ビットコインの価格が円ベースで1,000万円を超えました。アメリカで「ビットコイン現物ETF(上場投資信託)」の取引がスタートしたことや、4月にマイニング報酬が半分となる「半減期」があったことなど、ビットコイン関連のイベントが多かったことが価格にも影響したと考えられます(詳しくは筆者の過去の記事をチェックしてください)。

ビットコイン、値上がり、2024年、暗号資産取引(売買)の特徴とリスク

ビットコインと初めて交換されたモノは「ピザ2枚」だった、など、暗号資産の基本的な知識や、暗号資産取引の特徴やリスクを解説します(ピザのエピソードは1章で紹介しています)

ビットコインの名前を目にする機会が増えたからか、

「ビットコインの価格ってまだ上がるの?」
「なぜ価格が上がっているの?」
「ほかにどんな暗号資産があるの?」

といった質問を、筆者もセミナーなどでよく受けるようになりました。確かに、なじみのない人にとっては、「気にはなるが、よくわからない」という存在なのかもしれません。そこで本記事では、暗号資産の「初心者から中級者」レベルの人を想定し、リスク面を含め、「暗号資産取引」の基本的なポイントを整理したいと思います。

そもそも暗号資産とは何か? 仮想通貨とは違うのか?

まずは初歩的なところから説明しましょう。

暗号資産は、5、6年ほど前までは「仮想通貨」と呼ばれていました。2018年12月、金融庁は仮想通貨の呼称を暗号資産に改めると発表。2020年5月1日に改正資金決済法が施行されたのにともない、名称が暗号資産に変更されました。

変更の理由は、「通貨」という名称が、日本円などの法定通貨と混同される可能性があったからです。また、G20などの国際会議にて、「Crypto asset」と表現され始めたことも影響しました。そこで、国際的な動向にしたがって「Crypto asset」の日本語訳である「暗号資産」に名称を切り替えたというわけです(ただし、今も仮想通貨と呼ぶ人は多くいます)。

暗号資産に「実物」は存在しない

暗号資産は、法定通貨の「100円玉」や「1万円札」とは異なり、物理的には存在していません。あくまでもインターネット上のデータとして存在しているだけですので、本記事のような暗号資産の記事でよく見かける「ビットコインなどの暗号資産の画像」(「B」などのアルファベットが記された“あの”金色のコインの画像のことです)は、実際には存在しませんのでご注意ください。

ああいった画像は、その暗号資産の「イメージ」としてだけ存在していますので、たとえば誰かから「現物のビットコインを手に入れたのだけど……」などという話が持ちかけられたら、まず疑う気持ちを持ってください(さすがにそういった人は少ないかもしれませんが)。

よく見かける「暗号資産の金色のコイン」はあくまでもイメージ上の存在です

よく見かける「暗号資産の金色のコイン」はあくまでもイメージ上の存在です

ビットコイン初の交換相手は“ピザ2枚”

本記事ですでに何度かその名称が出てきていますが、ビットコイン(BTC)は暗号資産の中で最も歴史が古く、有名な存在です。ビットコインは2009年1月3日に誕生しましたので、2024年時点で16年目を迎えています。

誕生から1年後の2010年5月22日、史上初めてビットコインがモノと交換されました。フロリダ在住のプログラマー・ラズローさんと、ロンドン在住の学生・ジェレミーさんとの間で「10,000ビットコイン=ピザ2枚」の交換がなされたのです。今のレート(1ビットコイン=約1,000万円)に当てはめると、「1,000億円とピザ2枚」というありえない交換レートです。当時は、ビットコインがそれだけ「ネタ」的な要素が強かったということですね。

今もこの5月22日は「ビットコインピザデー」と称され、世界各地でパーティーが行われるなど、ビットコインにとって大切な日とされています。当時、交換を行った2人や、そのやり取りを面白がって見ていたネットの住人達は、今日、ビットコインがこのように大きな価値を持つとは誰も想像しなかったことでしょう。

正確な数字を確認するのは難しいのですが、当時のビットコインのレートは、ドルベースで1ビットコイン0.0025ドル程度と言われています。10,000ビットコインは25ドルなので、2枚のピザの値段としては妥当といったところでしょうか

当時のビットコインのレートは、ドルベースで1ビットコイン0.0025ドル程度。10,000ビットコインは25ドルなので、2枚のピザの値段としては妥当といったところでしょうか

ビットコイン以外の暗号資産が「アルトコイン」

こうした歴史的な背景を持つビットコインは、いわば暗号資産のガリバー的な存在です。そして、ビットコイン以外の暗号資産のことを、まとめて「アルトコイン」と言います

英語では「Alternative coin」と表記するので、「オルトコイン」と呼ぶのが正しそうですが、日本ではほとんどの人がアルトコインと呼んでいます。ビットコインに次ぐ時価総額を誇るイーサリアム(ETH)が代表的なアルトコインで、ほかにはリップル(XRP)、ビットコイン・キャッシュ(BCH)など数千種類が存在します。

“ビットコイン以外”のアルトコインは数千種類存在します

“ビットコイン以外”のアルトコインは数千種類存在します

ブロックチェーンが暗号資産の根幹であり最大の魅力

ビットコイン、アルトコインともに「ブロックチェーン」と呼ばれる「電子的な台帳」上で管理されています。このブロックチェーンという画期的な技術が、暗号資産の信頼性の根幹とも言えます。

中央銀行という絶対的な力を持つ存在が管理するドルや円のような法定通貨とは異なり、暗号資産はブロックチェーンという公開されたデータ上で、多くの管理者が相互に管理する「オープンな分散型ネットワーク」でその価値を担保しています。中央銀行が価値を担保している法定通貨とは、根本的な考えが異なります。この点が、暗号資産の最大の特徴であり魅力と言えるでしょう。

ブロックチェーンで管理できるデータ資産には、「不動産の登記情報」や「医療用のカルテ」、「生年月日や連絡先といった個人情報などをひも付いた、データ上で有効な契約書類」などがあります。また、プログラミングやアプリケーションといった知的財産の売買にも、ブロックチェーンの技術は使われ始めています。NFT(非代替性トークン)がここ数年、知名度を上げていますが、これもブロックチェーン上に製作者や作品番号などを記録することで、その作品が本物であることを担保するものです。

暗号資産やブロックチェーンの普及は、社会活動や生活を便利にすることが期待できるいっぽう、パスワード管理などのリスク管理がより重要となってきます。パスワード漏れにともなう情報漏洩などに関しては、今まで以上に注意しなければならないでしょう。

暗号資産取引(売買)の3大特徴

このように、法定通貨とはさまざまな面で違いのある暗号資産ですが、現在では活発に取引(売買)されるようになっています。暗号資産取引には、以下の3つの特徴があると考えます。

<暗号資産取引の特徴1>
値動きの大きさ

暗号資産取引の特徴のひとつとしてあげられるのが「値動きの大きさ」です。

暗号資産には、株式のように「企業業績」、「資本金」などの情報が存在しません。したがって、暗号資産の価値を推し量る唯一と言っていい手段は「需給」ということになります。

需給、と聞くと難しく感じるかもしれませんが、要は「売る人が多ければ価格は下落し、買う人が多ければ価格は上昇する」という極めてシンプルな話です。その暗号資産に価値を見出す人が多ければ多いほどその暗号資産を買う人が増えて価値は上昇する、というロジックです。そして、需給のバランスが崩れると、上下にオーバーシュート(行きすぎた値動き)しがちです。

暗号資産の購入には「プロジェクトへの賛意」という側面もある

では、「暗号資産に価値を見出す」とは具体的にどういったものなのでしょうか?

一例として、各暗号資産が抱えているプロジェクトに対する共感や面白さなどが、暗号資産の価値を左右する要素としてあげられます。ビットコインであれば「法定通貨とは異なる分散型台帳による決済圏の確立」イーサリアムであれば「分散型アプリケーションやスマートコントラクト(自動契約履行システム)などを用いた技術の進化」リップルであれば「銀行決済とは異なる決済圏の確立」といった具合です(※)。

※これらは私がとらえているプロジェクトイメージですので、多少の齟齬(そご)はお許しください。

このように、各暗号資産には異なるプロジェクトが存在する場合があり、こうしたプロジェクトへの賛意などが、結果として「暗号資産の購入」という行動につながり、ひいては価値が上昇していくことになるというわけです。

もちろん、ビットコインの「半減期」などのイベント時に、「上昇するかもしれない」という期待感で買う人も存在するでしょうし、逆に、何か技術的な不具合が発生した際などに、容赦ない売りを浴びることもあります。必ずしも、「崇高なプロジェクトを掲げているから買われる」というわけではないところが、暗号資産取引の難しいところでもあります。

<暗号資産取引の特徴2>
24時間365日取引ができる

暗号資産は、株式市場や為替市場と異なり、売買にともなう権利の移転などが全てブロックチェーン上で完結しますので、人が出張(でば)る必要がなく、24時間365日取引できるのが特徴です。

送金する際、手続きが集中して混んでいるときだと多少時間がかかるケースはありますが、取引に至っては“よほどのこと”がない限り一瞬で終わります。“よほどのこと”とは、具体的にはサーバーダウンなどです。2016年から17年に日本で暗号資産取引が一気に盛り上がった際、暗号資産交換所で注文が入りにくくなるといった事象が発生しました。今は昔、といった懐かしい話ではありますが、当時は「え? なんで?」と感じることが起こっていました。

暗号資産はさまざまなニュースがすぐに価値に反映されるので、24時間365日取引できることはメリットと言っていいでしょう。いっぽう、その裏返しになりますが、深夜などに取引が盛り上がり、寝る時間が削られてしまう、といったことがデメリットと言えるかもしれません(かつては、日本時間の深夜、早朝に価格が動くことが多かった印象がありました)。いずれにせよ、節度ある取引が大切になります。

<暗号資産取引の特徴3>
少額から取引することができる

暗号資産は少額から投資できることも特徴です。

代表的な暗号資産であるビットコインの最小単位は、0.00000001(1億分の1)で、この最小単位を1Satoshi(サトシ)と言います。これは、ビットコイン誕生に関連した論文を作成した「Satoshi Nakamoto」に由来しています。今のレートで最小取引金額を算出すると0.1円となりますので、すさまじくミニマムな金額ですね。

余談ですが、この「Nakamoto」さんは、日本人っぽい名前ではあるものの、日本人なのかどうかを含めて素性はまったくわかっていません。時々、「私が『Satoshi Nakamoto』だ」とか、「『Satoshi Nakamoto』と会ったことがある」などと発言する人が出てきますが、実態は謎です。

話を戻します。日本の暗号資産交換所の最小取引単位は、0.001や0.0001と、最小単位より上に設定されていることがほとんどです(最小金額を決めている交換所もあります)。単位が小さくなればなるほど管理するコストが大きくなるため、こうした違いが存在しています。つまり、実際の最小取引金額は1,000円から10,000円といったところです(ビットコインの場合)。それでも、100株から取引するのが基本の株式投資と比べると小さいですよね。取引金額が小さいことで、多くの人を取引に呼び込める可能性があるというわけです。

ビットコインをはじめとする暗号資産取引では「値動きの大きさ」に注意

ビットコインをはじめとする暗号資産取引では「値動きの大きさ」に注意

暗号資産取引(売買)のデメリットや注意点も知っておこう

暗号資産取引の特徴を知ったところで、取引するうえでの、デメリットや注意点も押さえておきましょう。

<暗号資産取引のデメリット・注意点1>
値動きの速さ、激しさに対して「心の準備」を

特徴のところでも触れましたが、暗号資産取引でもっとも気をつけるべきは、その値動きの速さ、激しさでしょう。これらは取引するうえでの魅力のひとつではありますが、1日で10%以上上下する“乱高下”がしょっちゅう発生しますので、暗号資産を保有していると「ハラハラ」する時間は多くなるはずです。

もちろん、そうした乱高下が起こりやすいことを理解してから取引を始める人がほとんどでしょうが、自分が保有している暗号資産の価値が一気に急落すると、なかなか落ち着いてはいられないものです。また逆に、急騰(きゅうとう)する場合も、浮ついてしまい、そのほかのことが手につかない、といった状態になる場合もあるでしょう。

なかなか難しいことではありますが、暗号資産を取引してみようという人は、十分に心の準備をしておくべきだと思います。

<暗号資産取引のデメリット・注意点2>
暗号資産取引にかかる「税金」について知っておこう

日本の場合、暗号資産取引にかかる税金には注意が必要です。現時点では暗号資産取引によって生じた利益の扱いは「雑所得」になります。

雑所得は、給与所得などのほかの収入と合算して所得税額が計算され(総合課税)、税率は収入に応じて上がる累進課税によって決まります。いっぽう、上場株式や投資信託などの売買で得た所得は「譲渡所得」に区分され、ほかの所得金額と合算せずに個別に税額を計算します(分離課税)。

分離課税と総合課税を比較した場合、分離課税は所得計算が分離される分、税金が抑えられる可能性があります。というのも、収入が多くなるほど所得税が高くなる累進課税と違い、分離課税では税率が一定(20%。2037年までは復興特別所得税を含めて20.315%)だからです。また、上場株式などの譲渡所得については、損失分を3年の間繰り越すことのできる「繰越控除」も認められていますが、暗号資産取引にはそれはありません。

このように、現状の日本において暗号資産は、上場株式などの金融商品と比べ、税制面で不利であると言えます。そのため「一般社団法人日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)」は、毎年提出している税制改正要望書にて、法令上の暗号資産の位置付けの整理や諸外国の税制を比較分析したうえで、上場株式などの金融商品と同様に「申告分離課税」や「3年間の損失繰越控除の適用」を強く要望していますが、なかなか進まず、といった状況です。

<暗号資産取引のデメリット・注意点3>
身近なところに潜む「投資詐欺」

最後に、「投資詐欺」について触れておきます。

2024年5月、実業家の前澤友作氏が、米SNS大手メタ社とフェイスブックジャパン社を相手に、「前澤氏の氏名や肖像を無断で使用した広告を掲載している」として損害賠償請求1円の訴訟を起こしたことが話題になりました。このように、著名人などをかたって投資詐欺を行うケースが最近増えています。こうした投資詐欺では、段階を踏んで、最終的には海外の暗号資産取引をうながすケースが多いようです。

暗号資産は値動きの大きさなどから、これまでも投資詐欺にひんぱんに利用されてきました。暗号資産取引を始めると、さまざまなサイトを閲覧したり、オフ会などのイベントに出席したりする機会が増えると思います。多くの人達は純粋に暗号資産取引を楽しんでいるのですが、なかにはよからぬ思惑を持って近づいてくる人や業者もいます。

「今、この暗号資産を購入すれば、月額10%の配当金がもらえる」といった誘いを受けたり、そのような広告を見たりすることがあるかもしれません。しかし、暗号資産に限らず、基本的に「うまい話」は存在しないものです(そもそも暗号資産には配当はありませんし)。リターンにはリスクがともなうもの、という基本を理解し、こうした誘惑に負けないようにしてください。

暗号資産取引に限らず、基本的に「うまい話」はないものと心がけておきましょう

暗号資産取引に限らず、基本的に「うまい話」はないものと心がけておきましょう

暗号資産はどう取引(売買)するべきか?

最後に、本記事のまとめとして、暗号資産取引をどのように行うべきかについて少しお伝えします。

暗号資産取引は「投機」と心得る

繰り返しになりますが、暗号資産は値動きの大きなものです。したがって、暗号資産取引で一番理解してほしいのは、「最悪、なくなっても構わない」「0になっても大丈夫」という資金で取引を行うべきだということです。

たとえば、「1か月後に支払う必要のある資金」など、使う予定のある資金で暗号資産を取引することはやめましょう。当然ながら、増える可能性も減る可能性もあるわけですが、「〇日までに換金して支払う必要があるので、価格が元に戻らないと困る……」といった切羽詰まった取引は、たいていの場合失敗します。

そして、暗号資産取引については「投資」というより「投機」に近いものと理解したほうがいいと思います。

投資は、さまざまな情報を基に分析を行って取引を行うもの。いっぽう、投機は価格の上下のどちらかに“乗って”利益を目指すものであり、投資とは別物です。暗号資産取引には、株式投資におけるファンダメンタルズ分析のようなものがなく、投機に近い存在であると私は理解しています。

その意味で、暗号資産取引においてはレバレッジ(※)を極力かけずに取引することをおすすめします。もっとも日本は規制によって、レバレッジは2倍までに制限されていますので、海外の暗号資産交換所のように、「レバレッジ50倍」などという無茶な取引はできないようになっています。

※レバレッジ……証拠金を口座に預け入れ、それを担保にすることで証拠金の何倍もの金額を取引できる仕組み。

次回は、「暗号資産取引の仕組み」を解説します

本記事を読み、その特徴やリスクを理解したうえで、暗号資産取引に興味がわいてきた人もいるかもしれません。次回の記事では、暗号資産取引の仕組みや、暗号資産交換所の選び方などをお伝えする予定です。

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