「究極の安全資産」とされる金の価格が最高値圏で推移している。海外での紛争勃発をはじめとした地政学的リスクの拡大を受けて、資金が流入しているためで、当面は高い水準での値動きが続きそうだ。歴史的にみて金価格が高騰した際、世界経済は大きく動揺したケースが多いだけに、その動向を注視する必要がある。
▷希少性
「金は株式や債券などと違い、それ自体に価値がある実物資産として認められてきた長い歴史があり、一度も無価値になったことがない」―。非鉄金属大手、三菱マテリアルのホームページに記された金の特徴である。
人工的につくり出せず、地球上に存在する量が限られるという希少性によって価値が担保され、紛争やテロが起きると金を買う人が増えがちだ。
実際、パレスチナ自治区ガザを実効支配するイスラム組織ハマスとイスラエル軍の戦闘が始まった昨年10月以降、金価格は騰勢を強めている。
国際指標となる米ニューヨークの先物相場は4月16日に初めて1オンス=2400ドル(37万円強)の大台を突破した。5月20日には2438ドルまで値を上げ、最高値を更新。同月末の相場は昨年9月末と比べ約20%も上昇した。
国内の小売価格も5月末時点で1グラム=約1万3000円と、最高値圏にある。
イスラエルとハマスの戦闘が中東全域の紛争に発展する事態は今のところ回避されているものの、「戦闘が激化するリスクを常にはらんでいる」(日興アセットマネジメント)のが実情だ。このような見方が金への旺盛な需要を支えている。
究極の安全資産「金」の価格高騰、最高値圏で推移 「4000ドル」予想も 世界経済の大きな波乱の前触れに…動向に ... - ZAKZAK
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