鉄鉱石の需給は2023年まで逼迫した状態が続き、価格は高値を維持するとブラジルの資源大手ヴァーレはみている。その後、需給は均衡する見通しという。
S&Pグローバル・プラッツが算出する鉄鉱石の国際価格指数(中国行き・鉄分62%粉鉱、運賃込み)は6日に初めて1トン=200ドルの大台に乗せた後、12日に過去最高値となる233.10ドルを付けた。
英紙フィナンシャル・タイムズ(電子版)が17日、ヴァーレのエドゥアルド・バルトロメオ最高経営責任者(CEO)の話として報じたところによると、鉄鉱石価格は23年まで高止まりする見通しという。
中国は鉄鋼生産を抑制する意向が伝わるなか、依然として増産を続けており、米国も大型経済対策を打ち出したとヴァーレは指摘。一方、鉄鉱石の供給は抑制されており、市場の需給は今後2年間、逼迫した状態が続くとみている。
ヴァーレの鉄鉱石生産は19年1月に発生したブラジルでの鉱山ダム決壊事故の後、減少している。19年と20年の生産は4億トンの計画に対して3億トンにとどまり、両年に3億3000万トンずつ生産した英豪リオ・ティントに鉄鉱石世界最大手の座を譲った。
ヴァーレはいずれ生産を4億トンまで引き上げるつもりだが、鉱山の多くで再稼働のための複雑な許可プロセスが必要であり、時間を擁する見通しだ。
一方、25年から30年までの期間は中国からの需要が減少すると予想する。電気アーク炉でスクラップの使用が増加するとの見通しを理由に挙げた。
鉄鉱石は2000年代初めに中国の急速な工業化を背景に「スーパーサイクル」と呼ばれる価格の急騰を経験しているが、足元の上昇はそれとは異なるとヴァーレはみている。前回の価格急騰は需要ショックによりもたらされたが、足元で需要ショックは起きていないと見方を示した。
鉄鉱石価格、23年まで高値維持へ 需給逼迫続くとの見方 - IG
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