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Sunday, October 10, 2021

「伊達いわな」価格抑えて提供 発祥の宮城・大和町 - 河北新報オンライン

 宮城県大和町発祥とされる「伊達いわな」を気軽に味わってもらおうと、町は今月、町内の飲食店が魚を安く仕入れできるよう、販売費の一部を養魚場に補助する事業を始めた。価格を抑えて提供し、食べられる機会を増やすのが狙い。取扱店を初めて公募し、例年の倍以上となる町内12店で刺し身などを出している。

 同町吉岡の和食店「八幡はなぶさ」は、伊達いわなを使った4品やコース料理などを提供する。町の事業を活用し、刺し身や天ぷらを従来の1皿858円から660円にするなど、今月から値下げした。

 料理長の高平恒司さん(36)は「伊達いわなは生で食べても、川魚特有の臭みがない。脂身が程よく、やわらかい。火を通してもおいしい」と語る。

 5年前に刺し身やたたきの提供を始めた。徐々に注文する客が増え、今年は新たに塩焼きをメニューに加えた。注文客は町外からの来店者が多く「地元であまり認知されていない」と高平さんは嘆く。

 町は事業で、町内飲食店向けの卸値1匹2700円のうち1700円を、養魚場に支給する。事業期間の来年3月まで、多くの店が通常より1、2割安い価格を設定したという。

 事業は2018年度、八幡はなぶさ1軒を取扱店として始まった。店を公募した21年度は、取扱店が20年度と比べ7軒増えた。

 町農林振興課の担当者は「高級魚を手ごろな値段で食べられる。事業の実施期間を一つのきっかけにしてほしい」と話す。連絡先は同課022(345)1119。

伊達いわな 受精卵に不妊化技術を施し、通常2組ある染色体を3組にし、800グラム以上になったイワナ。一般の魚が産卵期となる秋以降も、可食部の脂肪やタンパク質の含有率が高いとされる。県水産技術総合センター内水面水産試験場(大和町)が開発し、2014年に初出荷された。

伊達いわなの刺し身を出す高平さん=大和町吉岡の八幡はなぶさ

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