石油価格の上昇とともに食料価格高騰のニュースが伝えられている(石油価格と食料価格の関連性については後述)。確かに2021年の食料の国際価格は上昇しており、国連の食料価格の統計から価格高騰を国内外のメディアが報じている。
しかし統計結果のみをもって高騰の背景とすると様々な要因を隠してしまう。その要因には、新型コロナ以降の世界のフードシステムの混乱や各国ごとの状況の違いがある。新型コロナ以降、食料を輸入に依存する危険性はこれまでと比べ確実に高まっている中で、日本の食料自給率の低さは近い将来大きな課題となる。
本記事では、海外の業界ニュース・現情報等を参考にして品目毎(畜産物(食肉))・穀物・植物油)に検討する。検討においては、各国状況・フードシステム・農業労働力問題に注目する。そして最後に新型コロナ以降で激変する世界のフードシステムの中で日本の食料・農業政策はどうなっているのかを検証する。
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農・食・地域の未来を視点に情報発信する農家ジャーナリスト。有機農家。近畿大学非常勤講師。京都大学農学研究科に在籍し世界の持続可能な農や食について研究もする。NPO法人AMネットではグローバルな農業問題や市民社会論について分析している。農場「耕し歌ふぁーむ」では地域の風土に育まれてきた伝統野菜の宅配を行ってきた。また未来の食卓を考えるための小冊子「畑とつながる暮らし方」を知人らと出版(2013年)。ヤフーニュースでは、農家の目線から農や食について語る。
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