(ブルームバーグ): 世界的な電力危機による一般炭需要の拡大を受け、米国の石炭価格は約12年ぶりの高値に上昇した。
S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスが15日発表したデータによると、中央アパラチア産石炭の価格は先週10ドル余り上昇し、1トン=89.75ドルとなった。これは、米国からの石炭輸出急増で価格が急騰した2009年以来の高値となる。
天然ガス価格も上がる中、石炭価格上昇で今冬の米消費者のエネルギー代負担が増すのはほぼ確実とみられる。デューク・エナジーやエクセル・エナジーなどの電力大手は、暖房シーズンの料金が1カ月当たり約11ドル(約1300円)上がる可能性があると顧客に伝えている。米国ではすでに食品や住宅、自動車などの値上がりで消費者物価指数(CPI)が1990年以来の高い伸びとなっており、エネルギー価格上昇でこれに拍車が掛かることになる。
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新型コロナウイルス禍からの景気回復が世界中で電力需要を押し上げている一方、気候変動を巡る問題では燃料源としての石炭使用を減らすことが広く合意されている。
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米電力各社が石炭消費量を増やす中、米採掘各社は生産量を増やすのに苦労しており、これが在庫減少と価格上昇を招いている。ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、アンドリュー・コスグローブ氏は「米国で石炭スポット価格がここまで上昇しているのは、供給がなく入手できないからだ」と語った。
原題:U.S. Coal Hits 12-Year High, Threatening More Energy Inflation(抜粋)
(c)2021 Bloomberg L.P.
Will Wade
米石炭価格、12年ぶり高値に急伸-インフレ圧力さらに強まる恐れ(Bloomberg) - Yahoo!ニュース - Yahoo!ニュース
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