英国から、ロータリーエンジンを搭載した新型モーターサイクルが登場した。10月30日、クライトン・モーターサイクルが、クライトン『CR700W』(Crighton CR700W)を発表している。
かつて英国のノートンでロータリー搭載バイクを開発したクライトン氏
クライトン・モーターサイクルは、ブライアン・クライトン氏が代表を務める英国の新興二輪車メーカーだ。同氏はかつて、英国のノートン・モーターサイクルに在籍し、ロータリーエンジンを積んだノートン『RCW588』を開発した。
ノートンRCW588は1989年、英国750ccスーパーカップ選手権と英国F1の両タイトルを獲得した。また、1994年には、英国スーパーバイク選手権で優勝するなど、二輪レースの世界で成功を収めている。
ブライアン・クライトン氏は、ノートン・モーターサイクルを退職後もロータリーエンジンに対する情熱を持ち続け、2009年には、ロータリーエンジンを手がけるロートンパワー社とパートナーシップを結び、クライトン・モーターサイクルを設立した。それ以来、同氏はロートンパワー社と協力して、CR700Wの開発を進めてきた。
現在73歳のクライトン氏は、ロートンパワー社の英国ウィルトシャー工場において、CR700Wを25台限定で、手作業で組み立てる計画だ。CR700Wは、MotoGPマシンに匹敵するパフォーマンスを備え、ファンのための純粋なレース仕様のマシンを開発するというクライトン氏の夢の実現になるという。
1リットルあたりのパワーは319hpでフェラーリのF1マシンを凌ぐ
CR700Wには、排気量690ccのツインローターエンジンを搭載する。このロータリーエンジンは、最大出力220hp/10500rpmを発生する。1リットルあたりのパワーは319hp。最も強力な自然吸気エンジンを積んでいたフェラーリのF1マシン、「F2004」の1リットルあたり309hp、最新のMotoGPバイクの1リットルあたり300hpを超えるパワーを獲得している。
CR700Wのロータリーエンジンは、アプリリア『RSV4』やスズキ『ハヤブサ』を上回る14.5kgmの最大トルクを9500rpmで獲得する。扱いやすく使いやすいパワーを発揮しながら、精密なバランスのおかげで振動がないという。
また、CR700Wは、乾燥重量が129.5kgに抑えられた。この軽量設計のおかげで、主要なスーパーバイクを上回る1.68hp/kgのパワーウェイトレシオを実現している。
ロータリーエンジンの単体重量は24kg
CR700Wのロータリーエンジンは、可動部品が3つだけというシンプルな設計とした。エンジン単体の大きさは、340×240mmで、重量は24kg。二輪レースで定評あるノバ製の6速トランスミッションにクラッチを合わせて、パワートレインの総重量は46kgに抑えられた。
アルミ製シャシーとモノショックスイングアームによる低重心と軽量設計によって、俊敏なハンドリングを追求した。Dymagのカーボンファイバー製ホイールがバネ下重量を低減する。ブレーキはブレンボ製。サスペンションは、オーリンズ製またはビチューボが選択できる。
クライトン・モーターサイクルとロートンパワー社は、英国のウィルトシャー工場において、CR700Wを25台限定で、手作業で組み立てる予定だ。英国でのベース価格は、税抜きで8万5000ポンド(約1300万円)と発表されている。
ブライアン・クライトン氏は、「多くの点で、CR700Wは自身のキャリアの集大成。エンジニアリングの知恵をカプセル化したCR700Wが、究極のサーキットバイク、レーシングバイクになる」とコメント。テストライダーで元英国スーパーストック600チャンピオンのメイソン・ロー氏は、「クライトンCR700Wのテストは、驚異的な経験だった。速度は凄まじく、F35ジェット戦闘機で空母の滑走路を進んでいるような気分。CR700Wは間違いなく、ライダーを笑顔にする」と語っている。
ロータリーエンジン搭載バイク『CR700W』登場、英国価格は約1300万円 - レスポンス
Read More
No comments:
Post a Comment