アジア太平洋地域の最も価格の高い住宅市場の一部で昨年のブームが沈静化しつつある。
住宅価格はシドニーと香港で下落し始めたほか、シンガポールでは1-3月(第1四半期)にほぼ横ばいだった。金利上昇と景気への逆風を踏まえ買い手は様子見姿勢に転じた。
新型コロナウイルス禍のさなかの低金利と乗り遅れへの恐怖を背景に世界の不動産価格は上昇。シドニーでは昨年約27%値上がりし、シンガポールでは10年余りで最大の上昇、香港は世界で最も住宅の買いにくい市場となっていた。
状況は各国で異なるが、住宅取得の困難を懸念した政府のブーム抑制措置やインフレリスクで中央銀行が利上げを検討する中での住宅ローン金利上昇など共通点もある。
中国ではコロナ感染拡大が不動産市場の逆風に拍車をかけ、香港では感染抑え込み失敗で住民の 流出が増加。上海のロックダウンは不動産開発業者の過剰な借り入れに対する 取り締まりによる落ち込みからの回復を難しくする。
不動産仲介業者、ナイト・フランクのアジア太平洋地域住宅物件責任者、ビクトリア・ギャレット氏は「世界金融危機以降、アジアの政府は資産価格上昇への監視を強めた。また、新型コロナは格差への注目を強めた」と分析。「売り手市場からの転換は機会をもたらすものの、買い手はより選択的かつ価格に敏感になるだろう」と話した。
原題:
Home-Buying Frenzy Is Waning in Asia’s Most Expensive Cities(抜粋)
アジアの住宅購入熱が弱まる-シドニーや香港で価格下落 - ブルームバーグ
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