電力市場価格高騰 県内小売電気事業者にも影響 鹿児島[04/13 20:14]
ロシアによるウクライナ侵攻、それにコロナ後を見据えた需要拡大などを背景に世界的に燃料価格が上昇しています。そのため、電力の仕入れ価格も上昇していて、6年前の電力自由化に伴って参入した鹿児島県内のいわゆる「新電力会社」にも影響が及んでいます。
鹿児島市の新電力会社「ナンワエナジー」は、病院など法人向けの電力供給サービスの一部を今月30日で停止することを決め、法人などの契約者に対してほかの電力会社への切り替えを求めています。
背景にあるのが電力の仕入れ価格の高騰です。電力の取引などを仲介する「日本卸電力取引所」によりますと、九州の電力仕入れ価格はこの1年で3倍近くまで上がりました。
県内にはどのような影響がでているのか?MBCが県内に本社を置く13の小売り電気事業者に取材したところ、12社から回答がありました。
それによりますと、仕入れ価格の高騰に伴ってサービスを停止した事業者はありませんでした。しかし、1社が今月になって電気料金を値上げし、4社が新規契約受け付けの制限を検討していました。
こうした中で、契約する電力会社を乗り換える動きも出ています。鹿児島市の樟南高校は、校舎や寮、幼稚園の電力をこれまで県外の新電力会社と契約していましたが、来月から九州電力に切り替えます。今年2月に契約していた電力会社から今後の供給が難しいとの申し出を受けたためです。契約期限までに時間的余裕があったため、混乱なく切り替えられたといいます。
(樟南高校 郡山俊幸事務局長)「私たちはラッキーだった。光熱費が一番かかる。ここの削減がないと経営が成り立たない。新電力で年間100万円削減できていた」
一方、九電は「電力の供給量をこれ以上確保できないため、法人や企業など新規の受け付けを停止している」としていて、今後の切り替えがどう進むかは不透明です。新電力会社でも新規の受け付けを制限している会社もあり、市場価格に左右されない太陽光発電への切り替えをすすめているケースもあるといいます。
県には電力会社から他社への切り替えを求められた契約者からの問い合わせが来ていて、どのような電力会社があるのか情報提供をしているといいます。
一方、九州電力送配電は新たな契約会社が見つからない場合でもすぐに電力供給を停止するのではなく、「最終保障供給」制度に基づいて原則1年間は通常価格のおよそ1.2倍の料金で電気を供給するということです。ただ、取材に応じた新電力会社の担当者からは「市場が荒れていて先が読めず、サービスを提案できない」との不安の声も聞かれ、今後は不透明です。
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