ワークマンは13日、「ワークマン2022年秋冬新製品発表会」を開催。大型キャンプギア第2弾や、「WORKMAN Shoes」新製品のほか、'23年度の価格戦略について発表した。
昨今の円安・原料高・輸送費高騰の影響で作業服やアパレル業界では値上げが続いているが、同社は2月に「価格据え置き宣言」を出し、2023年2月末までPB製品の価格を据え置くことを発表していた。
今回の価格戦略では、価格据え置きを'23年8月末まで延長することを発表。対象となる製品は、同社PB商品の売上('22年1~8月末)上位300のうち260製品。残りの30製品は廃版、10製品は値上げとなる。
価格据え置きを実現できた理由として「素材の共通化」「閑散期生産」「1製品あたりの生産量増加」「小さなコストダウンの積み重ね」の4つを挙げている。
素材の共通化では、同社独自開発の高機能素材を横展開して1素材あたりの生産量を増加。同社によると、素材の生産量を2倍にすると製造コストが2割下がった例もあるという。
特にテントや寝袋は衣料品の数倍の素材を使うため、素材のコストダウンがしやすくなる。具体的には、「FUSION DOWN」と同じ素材を寝袋にも使用。また、素材を横展開することによりヒット製品を増やす機会にもなるという。
閑散期生産では、海外工場の閑散期に合わせて早めに注文し、閑散期だけで生産できるように構築。閑散期に生産することで生産コストを2割削減可能としている。
1製品あたりの生産量の増加は、類似したPB商品のアイテム数を減らして人気商品に生産を集約させる。小さなコストダウンは、商品タグの大きさを半分にする、社内節電、生産計画を精緻化してコンテナの積載効率を高めるなどを行なった。
ワークマン 専務取締役 土屋哲雄氏は、価格の据え置きについて以下のように語った。
「ワークマンは『機能と価格に、新基準』を掲げています。アウトドアやスポーツウェアはそんなに高くないと思ってもらうことを存在意義としています。また、社員には過去のトラウマがあります。リーマンショックで円安になったときに、35年ほど980円で販売していた作業服を1,280円に値上げしたら需要が激減したのです。当時のトラウマを持った人たちが今、社長や本部長になっており、今回値上げラッシュが続く中でも価格据え置きを決定しました」
キャンプギア第2弾
キャンプギアの新製品は、本格ファミリーキャンプ向けテントやダウンと同素材の防寒シュラフなどを投入。
今春参入したキャンプギアは1年目で40億円の売上と、好調に推移。ウェブ注文・店舗受取のみの無在庫販売で展開した大型テントは、40,000点販売の大ヒットになったという。
今後キャンプギア関連製品は、'23年度に60億円、'24年度に100億円の販売を目指す。
トレッキング市場に本格参入
また、新たにトレッキング市場にも本格参入する。トレッキング/ハイキングは、参加人口がキャンプの2倍以上いることから重点市場として注力。トレッキング/ハイキングに適したジャケットやシューズなどを用意する。
「トレッキングベンチレーションジャケット」(1,900円)は、伸縮性が良く軽いフリース素材を使用。背中と両ポケットに付けたベンチレーション機能で熱を逃がす。
バックパックを背負ったときに擦れる肩と腰には補強の布帛を採用し、快適なトレッキングを実現する。発売は9月中旬を予定。
「サーマルテックフリース長袖クルーネック」(980円)は、暖かさと通気性に優れたジグザグフリースで、普段使いにもアクティブなシーンでも快適さを保つ。
左胸ポケット部分にループがついており、小物がぶら下げられる仕様。8月6日より発売中。
「アクティブハイクサミットハンター」(2,900円)は、トレッキング/ハイキング用で人気の撥水機能付きアクティブハイクの上位製品に位置づけられる。
独自開発の透湿防水素材Splashieldを採用し、接地地面から6cmの防水を実現した。発売を10月中旬を予定。
ゴルフ関連製品も投入予定で、'23年春に向けて37アイテムを展開。'24年度には40億円規模に拡大する。
女性用シューズやウエア強化
このほか、好調の女性向けシューズもアイテムを増やし、'23年春に向けて20アイテムを展開。'24年度には10億円規模に拡大するという。
女性向けウエアでは収納力を強化。「女性用のウエアはポケットが少ないという不満をよく聞くので、ワークマンでは『ポケット男女平等宣言』として、男性ウエアと同様に女性ウエアにもポケットを付けます」(土屋氏)
'23年2月からは女性用インナーにも参入し、キャミソール4型とカップ付きインナー2型を投入予定としている。
ワークマンは「価格据え置き」 キャンプの次はトレッキング本格参入 - Impress Watch
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