3月の米個人消費支出(PCE)統計で、基調的インフレの高止まりが明らかになった。米連邦公開市場委員会(FOMC)が来週の会合で追加利上げを実施する論拠が強まった格好だ。
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米金融当局は総合価格指数で2%を目標にしている一方、物価のトレンドを測る上ではコア指数の方が優れているとみている。
今回のPCE価格指数と、別途発表された1-3月の米雇用コスト指数はいずれも、来週のFOMC会合で0.25ポイントの追加利上げが行われるとの見方を強める内容だ。PCE価格指数の前年比上昇率はピークこそ過ぎたが、2%に戻す道のりは平たんではない。
米雇用コスト指数、1-3月に伸び加速-追加利上げの観測強まる (2)
3月のPCE価格指数で一つの明るい材料は、住宅・エネルギーサービスを除くサービス業の価格指数が、ブルームバーグの試算で0.2%上昇に減速したことだ。パウエル連邦準備制度理事会(FRB)議長がこの指標に注目している。ただ、前年同月比では4.5%上昇と、なお高い伸びが続いている。
ブルームバーグ・エコノミクスの米国担当チーフエコノミスト、アナ・ウォン氏は「この日のデータは5月2、3両日に開かれるFOMC会合での0.25ポイント追加利上げに向け、強力な支えとなった。一部の当局者は、金利が十分に景気抑制的な水準になお達していないと思うかもしれない。われわれの基本シナリオは来週の会合で追加利上げを実施した後、長期にわたって休止するというものだが、さらなる措置が必要になるリスクが高まっている」と述べた。
家計は堅調な労働市場と過剰貯蓄を背景に、支出に回せるだけの資金を保有してきたが、その勢いは失われ始めている。実質PCEは3月に前月比横ばいとなった。財とサービスへの支出がともに振るわなかった。2月は0.2%減少(速報値0.1%減)に下方修正された。
インフレ調整後で財への支出は前月比0.4%減と、3カ月ぶりの大きな減少。自動車購入の落ち込みが特に目立った。サービス支出は0.1%増。
個人所得は前月比0.3%増。市場予想は0.2%増だった。
実質可処分所得は前月比0.3%増。賃金・給与はインフレ調整前で0.3%増と、2カ月続けて同じ伸びとなった。貯蓄率は5.1%で、2021年12月以来の高水準。
統計の詳細は表をご覧ください。
原題: US Inflation Pressures Persist, Reinforcing Case for Fed Hike(抜粋)、US March Personal Spending Unchanged M/m; Est. -0.1%(抜粋)
(統計の詳細を追加して更新します)
米PCEコア価格、根強いインフレ示唆-5月利上げの論拠強まる - ブルームバーグ
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