不動産ビッグデータとAI等のテクノロジーを活用し、不動産マーケティングプラットフォームを提供する株式会社マーキュリーリアルテックイノベーターは、不動産に関わる企業として独自視点で業界の動向を発信している。
今回は、首都圏の新築マンションの平均価格の上昇をけん引している東京23区において、新築マンションがどれくらいの価格帯で分譲されているのかを調査した。
2023年も引き続き不動産価格は高騰している。月によっては首都圏の新築マンションの平均価格が1億円を超え、新築マンションが一部の富裕層しか購入することができない高嶺の花になってしまったようにも聞こえる。
しかし実際のところはどうなのか、首都圏の新築マンションの平均価格の上昇をけん引している東京23区に着目し、新築マンションがどれくらいの価格帯で分譲されているのかを、同社が提供している不動産マーケティングプラットフォーム「Realnet」を使い調査した。
■価格のボリュームゾーンは5000万円台〜7000万円台。
上記の表は、東京23区の2022年1月以降の供給戸数と、その月の供給割合を価格帯別でまとめたもの。
2022年1月以降の毎月の価格帯別の供給戸数をみると、1億円未満の価格帯では5000万円台、6000万円台、7000万円台の供給量が多く、これらで対象期間全体の供給の約45%を占めている。
尚、1億円から2億9999万円の住戸も全体の約20%を占めており、多くの月で供給戸数上位3レンジに含まれている。また、1億円以上を全て合わせると供給全体の1/4を占めている。
上記の表は東京23区の2022年1月以降の価格帯別の平均面積。
価格帯別の平均面積をみると、4,000万円台以下の住戸は平均が50m2前後で、一般的にイメージするファミリータイプと比べると少し手狭だ。
5,000万円台以上であれば平均で60m2前後の広さがあることから、一般的なファミリータイプは5,000万円台が最低価格ラインと言える。
■価格中央値は6,000万円〜8,000万円
価格中央値は6,000万円から8,000万円程度で推移しており、高額物件の供給比率が大きい月を除けば6,000万円台の月が多く、前述の1億円以上を除いたボリュームゾーンとも被る。
■一部の高額物件が平均価格の上昇を牽引
東京都港区の三田ガーデンヒルズの初回分譲が行われた2023年2月は、平均価格1億8,868万円に対して価格中央値が9,299万円で、平均と中央値で約2倍の差が生じている。
2月に東京23区で供給された全1,197戸の中で三田ガーデンヒルズの供給は321戸。東京23区全体の供給戸数の1/4を占める。三田ガーデンヒルズの2月分譲分の平均価格は4億7,015万円と高額であることから、平均価格が大きく押し上げられた。
昨今の分譲マンションの平均価格上昇の要因として、マンション供給の全体数自体が減少していることに加え、高額で供給戸数も多い都心部のタワーマンションやブランド立地の高額物件が一層高額化することで、エリア全体の平均値上昇をけん引していることが挙げられる。
価格が高騰して久しい不動産マーケットの中でも、特に価格の高騰が著しい都心部ではあるが、主に富裕層がターゲットとなる高額物件を特異値として除けば、「平均」と聞いて一般的にイメージする東京23区の平均“的”な価格は6,000万円台から7,000万円台、広さ60m2前後のファミリータイプだと考えられる結果となった。
同社は、不動産マーケティングプラットフォームの提供など不動産に関わる企業として、これからも独自視点で業界の動向を正確に伝えるべく、情報を発信していくという。
健美家編集部
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